★ 2006年8月11日「酒井正幸先生 追悼のつどい」のご報告 ★
 
 板吹の顧問であり、かつ全日本吹奏楽連盟理事長である酒井正幸先生の「追悼のつどい」が、平成18年8月11日(金)、我が町、板橋区の文化会館にて行われました。ご来場がかなわなかった方にその時の様子をご報告いたします。


 板橋区吹奏楽団も、この式典に全面協力させていただきました。

 この式典から、吹奏楽界の新たなスタートが始まります。残された私達は、心を一つにしなければなりません。そして吹奏楽界の発展のために、各々が自分だけの“Only One”の未来を描き始めなければなりません。

 今日というこの日が、吹奏楽界にとって『ターニングポイント』になることでしょう。

板橋区吹奏楽団




(追悼式典写真:有山正樹氏撮影)

 

 
●板橋区吹奏楽団 <追悼の辞>








 
<追 悼 の 辞(全文)>

 本日、ここ板橋区立文化会館にて、酒井正幸先生の追悼の集いを行うにあたり、謹みて哀悼の意と感謝の意を申し上げます。


 日頃より、先生がおっしゃられていたことがあります。

一(ひとつ)、吹奏楽団としてできるすべての可能性を考えなさい。
一(ひとつ)、一つの目的だけにとらわれるような、つまらない楽団にしては
       決していけない。
一(ひとつ)、生涯学習の場として、親子、お年寄り、など誰でも参加できる
       楽団。
一(ひとつ)、とにかくNO.1ではなくオンリー1を目指しなさい。


 1985年10月、「吹奏楽団を創ってほしい」との願いから、区内の吹奏楽愛好家882名の署名を添えて、その思いが区に届けられました。この運動が板橋区に認められ、板橋区吹奏楽団は1986年に発足し、今年で20年目を迎えました。

 当団の特徴は、高校生・大学生・ご家庭の主婦や社会人、年齢や職種を問わず、誰にも開かれているバンドです。ジャンルにもとらわれることなく、同一のメンバーが、吹奏楽、ステージドリル、金管バンド、新企画のミュージック・ページェントなどを企画、披露しています。
 運営方針においても、学生的な運営ではなく、板橋区と連携した大人のバンドとしてのマネジメントをおこなっているのです。日本で唯一の『オンリーワン楽団』として幅広く活動をひろげてきました。

 まさに今、酒井先生の教えを基にして、板吹と一緒に描いてきた夢が、実現しつつあるのです。

 板橋区吹奏楽団は、全国大会で金賞を取れるようなバンドではありません。しかしそのようなバンドであるにもかかわらず、「生きる勇気をありがとう」、「貴方たちは私たちの宝物です」とまで言って下さる多くのお客様や区民の皆様に囲まれているのが、我が愛する『板橋区吹奏楽団』なのです。


 私たちにとって酒井先生は、『思い出の人』ではありません。
 私たちにとって酒井先生は、20年間、共に歩んできた『現在進行形』の人でした。
 私たちにとって酒井先生は、吹奏楽業界が進むべき未来ビジョンを共に描く『同志』でありました。


 いつも酒井先生は、団員には暖かい眼差しで接していただきました。板吹に入団するまでの過去や、経験を否定せず、良い面を引き出そうとしてくださる姿を、私たちは忘れる事ができません。

そのお陰もあって、私たちは大切な『居場所』を板橋区吹奏楽団で発見することができました。それも一つではありません。板吹には吹奏楽やドリルだけではなく、その他にも活躍できる、様々な『居場所』が用意されていますし、次々に新しい『居場所』が生み出されています。こんなに嬉しいことはありません。
 これからの私たちの義務と責任は、そしてこれから入団してくるであろう未来の仲間のために、新しい『居場所』創りをし続けていくことです。そしてそれを大切に育んでいくことだと考えています。

 そうすれば、団員も、区民も、お客様も、その他、板吹に関わるみんなが幸せになる。きっとすてきな笑顔に出会えます。


 酒井先生、先生の練習で『エルザの大聖堂への行列』を演奏しましたよね。練習が始まった途端、先生は『十中時代の酒井先生』に戻り怒鳴られました。本気で怒りましたよね。しかしその時、団員みんながとても嬉しそうにし、そして中には感激している者もいたんですよ! 先生はその時、怒っていても人を幸せにできることを証明していたんですね!


 怒っている酒井先生も忘れられませんが、私たちは、『音楽を愛する笑顔の酒井先生』も忘れることができません。

 板吹の練習風景の一コマがおさめられている写真があります。本日お配りされているプログラムの中にある『指揮をしている笑顔の酒井先生』の写真です。当団の歴史とともに歩んできた板吹の生き証人の一人でもある、写真家:有山正樹さんの作品です。厳しいだけの先生ではありませんでした。こんなにすてきな笑顔をみんなに振りまいている先生でした。


 板吹の活動に終わりはありません。我々が、区民の皆様やお客様、板橋区、音楽監督の中澤正人先生、常任指揮者の大橋晃一先生、そして団員とともに未来を描き続ける限り、これからも酒井先生は、『現在進行形の同志』であり続けます。天界より見守ってください。

 これからも、我が板橋区吹奏楽団は、未来の吹奏楽団の在り方を探求し、区民の皆様やお客様のために、夢や希望を描き続けていくことを、ここにお誓い申し上げ、追悼と感謝の言葉とします。

 どうぞ安らかにお眠りください。

 20年間、本当にありがとうございました。

平成18年8月11日 板橋区吹奏楽団

 

 
●追悼のつどい 式次第

 日時:2006年8月11日(金)
     開場 12:00  開式 13:00

 場所:板橋区立文化会館大ホール
     東京都板橋区大山東町51-1
     電話:03-3579-2222

 最寄:東武東上線大山駅 徒歩4分
    都営地下鉄三田線板橋区役所前駅 徒歩8分

 主催:全日本吹奏楽連盟

 協力:板橋区吹奏楽団
    豊島区立第十中学校吹奏楽部OB会

  [音楽を愛する、笑顔の酒井先生]
   ※プログラム表紙の写真:有山正樹氏撮影


一 黙    祷

一 開会のことば  全日本吹奏楽連盟  理事長代理  平松 久司

一 想い出の映像

一 追悼のことば  豊島区立第十中学校吹奏楽部OB  吉崎 英雄

          板橋区吹奏楽団      団長  大嶋 康宏
          全日本吹奏楽連盟支部長会 会長  松平 正守

一 献    花  参列者全員

          奏楽 板橋区吹奏楽団
             豊島区立第十中学校吹奏楽部OB
             全日本吹奏楽連盟 副理事長 塚田 誠

一 ご遺族の言葉  酒井 雅世 様

一 閉会のことば  全日本吹奏楽連盟   東京支部長 折原 弘一

 

●献 花  奏楽:板橋区吹奏楽団・豊島区立第十中学校吹奏楽部OB

 
 [演奏曲目]                        
  指揮:板橋区吹奏楽団 音楽監督 中澤正人

  1 君が代行進曲
  2 主よ人の望みよ喜びよ
  3 グリースリーブス
  4 世界に一つだけの花
  5 ロンドンデリーの歌
  6 G線上のアリア
  7 終演:星条旗よ永遠なれ


リハーサル風景
 
以上、滞りなく終了しましたことをご報告し、酒井正幸先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

平成18年8月24日 板橋区吹奏楽団

 

 
2006年6月25日20th定演で酒井先生の『追悼』をしました
 
当団では創立20周年記念演奏会の数日前に、偉大なる師を失いました。
大変ショックな出来事でした。

先日6/25の演奏会では、酒井先生のために『追悼演奏』をいたしました。

 
当日は、〜音・楽・絵・巻〜ミュージック・ページェント にて酒井正幸先生の紹介をしました。
 
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<板橋区吹奏楽団 顧問  酒井 正幸 先生>

 板橋区吹奏楽団の創設の折より、音楽監督として、板橋区の音楽文化振興と啓蒙にご尽力いただいた。「緑と文化の香るまち、板橋」にふさわしく、多くの偉大な功績を残されたが・・・
 平成18年6月19日に肺炎のため逝去。

<プロフィール>

現在、全日本吹奏楽連盟理事長。
 スクールバンド指揮者として全日本吹奏楽コンクール10年連続金賞受賞。日米吹奏楽指揮者協会の招きにより、アメリカ各地への演奏旅行、また全日本大学、高校選抜バンドの指導者として、アメリカ、東南アジアの各地の演奏旅行で好評を博す。全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社より長年出場による指揮者賞を受賞。
 当吹奏楽団創立の折、音楽監督として招かれ、平成14年度より顧問に就任。
 著書“吹奏楽のための基礎指導”、“バンド指導12ヵ月”全3巻、“管弦楽のための基礎知識”の解説(音楽の友社)

 
 

 アンコールの後ではありますが、
この場で酒井正幸先生の追悼演奏をさせていただけますか?

〜 拍 手 〜

ありがとうございます。

きっと酒井先生もこの会場に来ていると思います。

本当ならレクイエムをと思いましたが、
我々板橋区吹奏楽団は、なんといっても「吹奏楽団」です。

 吹奏楽といえばマーチです。元気に追悼したいと思います。そこで・・・

追 悼 曲
酒井正幸先生に指揮していただいた最後の曲「星条旗よ永遠なれ」
J.P.スーザ
を演奏させていただきます。

 
指揮台を酒井先生にゆずり、そばで指揮を振る音楽監督の中澤正人先生
 
 
日本における公の演奏会最後の指揮が、この「星条旗よ永遠なれ」となってしまった。
 
 
最後の指揮をする酒井先生。
 
 
無事演奏会を終えて満足な酒井先生。
 
 
15周年記念パーティーでの酒井先生。
本当なら今日平成18年6月25日、この演奏会場にいるはずだった。

先生の手帳には、「2006/
6/25板吹20周年記念定期演奏会」と、
ちゃんと記されていたのに・・・
 
 
普段の練習でも音の出し方や表現など細やかに指導してくれた。
 
 
熱血指導中の酒井先生。その大きな声にいつも圧倒された。
 
 
いつも私たちに「会場のお客さまへ感動を届けよう!」と指導していた。
 
 
感情豊かな酒井先生の、指先、言葉、そして表情一つひとつから音楽を学んだ。
 
 
時にきびしく、時にはやさしく、音楽を教えてくれた。
 
 
音楽を愛する、笑顔の酒井先生。
 
 
(photo 有山正樹 撮影)
 
 
酒井先生、今まで20年間ありがとうございました。

板橋区吹奏楽団は、

酒井先生の“本望”であった“Only One”、
『一般のお客様を楽しませ、喜ばれ、そして愛される音楽ステージを創れ!』

という教えをこれからも追求していきます。

板橋区吹奏楽団
 


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